隠相撲 七日目



五日、六日と連続で横綱への挑戦。

やはり私の実力では敵いませんでしたが、

大切なのは横綱二人を相手に秒殺されないレベルになったと言う事です。

星はまた五分に戻ってしまい、三勝三敗ですが、まだまだこれからです。

これから……なんですが……。



今日の私の相手は、大関の「大川 七海」さん。

身長173センチ、体重63キロ、スリーサイズ87、62、93

髪の毛は大銀杏ではなくポニーテールにしていて、マワシは繻子の赤紫です。

ここまでの成績は五勝一敗。

隠相撲の中でも、私が一番苦手としている相手です。

その理由は、枝里子さんと同じH技の使い手なんです。

ですが、枝里子さんが勝つためにH技を使うのに対して、七海さんは相手を痛めつけるために使うんです。

これは相撲の実力が横綱の隆美さんとエリカさんに匹敵するって言う事なんです。

そうでなければみんな防げるはずなんです。

そんな訳で、私との戦績は私の〇勝八敗です。

しかも全部イカされた上に、相撲の技じゃないプロレスの技で負けているんです。

もちろん頭から落とすような技ではありませんが、七海さんは私を痛めつけるのが好きらしいんです……。

ですが、今までの私とは違います。

枝里子さん相手にH技を開眼しているんだから、このままでは終わらせません!



土俵の上で向かい合うと、七海さんは完全に余裕の笑みを浮かべていました。

最初の仕切りから既に口元には余裕の笑みが浮いて居るんです。

ですが、そう思い通りにはさせません。

私が七海さんにとる作戦は二つに一つです。

七海さんのH技に正面から挑むか、H技を使わせない為にツッパリ合いに持ち込むかです。

ですが、私の取る戦法は最初から決まっています。

前者です。

ただ勝つだけが隠相撲じゃありません。

確かに勝敗は大切ですが、今の私に必要なのは勝ちよりも強さです。

困難に挑まなければ、強さは得られません。

だから、私が選ぶのは逃げて勝つ道ではなく、真っ向から勝つ事を目指すんです。



時間いっぱい、最後の仕切りです。

私は思いきって塩をまいて、自分に気合いを入れます。

「構えて……」

私は勇むように両拳を仕切り線に付けました。

七海さんがゆっくりと左拳を仕切り線に付けました。

頭にピリッとした感覚を覚えます。

その瞬間、七海さんが立ちました。

私も素早く立ち、七海さんにぶちかましを仕掛けます。

私と七海さんは、立ち合いの瞬間、同時に左四つに組み合いました。

私はそのまま腰を落として、じっと七海さんの仕掛けを待ちます。

「ふんっ!」

「うんっ!」

互いに腰を落としながらの吊り合い。

ですが、これは七海さんが得意の態勢に持ち込むための準備段階です。

私もそれが分かっているから七海さんが持ち込みたい態勢に自分から持ち込まれます。

吊り合いで胸を合わせる状態からさらに身体を揺すり、乳首同士をしっかりと重ね合わせた態勢。

そして、ここからですが、ここまで来たら先手必勝です。

私は七海さんが得意としている、鯖折りを先に仕掛けました。

「ぅあうっ!!」

私が先に鯖折りを仕掛けるとは思っていなかったのでしょう。

七海さんは堪らず顎を上げ悲鳴を上げました。

次いで私は七海さんのうなじに舌を這わせ始めます。

「くぅっ……」

七海さんが苦しそうな声を漏らしますが、この程度で参ってくれる人じゃありません。

鯖折りは、本来圧力を利用して相手を跪かせる技ですが、七海さんは苦しみながらもビクともしません。

やはり腰が強いからなかなか倒せないんです。

私の鯖折りと舌攻めが続きます。

ところが、突然背中にビリッとした感覚を覚えます。

「……ふんっ!!」

「くあっ!!」

七海さんの鯖折りの反撃。

私と七海さんは鯖折りを仕掛けあった状態になります。

「くぅ……良い度胸ね……私にこの態勢で勝てると思ってんの?」

「んくっ……それはやってみなければ……分かりませんよ……」

私はそう言いながらわざと微笑んで見せます。

肉体的な攻防だけでなく、心の攻防も大きな比重を締めます。

少しでも優位に立たなければ勝ち目が全部消えてしまいます。

そして、私の唇にピリッとした感覚が走ります。

「言うじゃない……うくっ……じゃあ、いくわよっ! んっ!!」

「……うんっ!!」

鯖折りを仕掛けあったまま七海さんの仕掛けたキス攻撃。

しかもいきなり舌を侵入させるディープキスです。

「んっ……んぅ……んっ!」

「んぅ……んっ……んんっ……」

私の七海さんの舌が激しく絡み合います。

いつもの私なら一方的に押されるだけですが、もうそうはさせません。

「んぅっ……んっ!!」

「んんっ……うんっ!!」

お互いに少しずつ反応が出始めました。

重なり合っている胸に固くなっているのを感じます。

ここも先手、先手です。

私は自分の身体をわずかに動かしました。

お互いの乳首を刺激させる、枝里子さんのあの動きです。

「んあっ! んくっ! ああっ!」

「うっ! くっんっ! あくっ!」

私自身にも跳ね返ってきますが、七海さんも効いています。

この調子なら何とか勝ち目はあるかも……。

ですが、急に私は下半身にピリッとした感覚を覚えます。

「くあっ! あっ! ……やって……くれるじゃない!」

「きゃんっ!!」

ここまで押されてきた七海さんですが、ここで前後の縦褌を取り吊り上げました。

私は堪らず悲鳴を上げてしまいます。

「くっ……まだまだっ!」

「あくぅ!!」

私も縦褌を取り返し、縦四つになりました。

あとはどちらが先にイクかの根比べです。

「ノコッタノコッタノコッタ!! ノコッタノコッタノコッタ!!」

「ああっ! はっあっ! んっ! ああっ!!」

「くっあっ・・・あんっ! はんっ!!

私と七海さんのイカせ合い。

普段ならとっくに負けている私がずっと耐えている所為で、七海さんは予想外の苦戦のハズです。

こういう状況だと、逆に追い込まれてしまうのが人の性です。

私はあらん限りの力を振り絞って七海さんのマワシを擦ります。

「ああっ! くっ! ああっ! こ、こんなっ……バカなっ!! ああっ!! あああああっ!!」

七海さんが身体を震わせながら悲鳴を上げました。

そして、その後に急激に力が弱まります。

やったっ!!

この縦四つは私の勝ちです!

私はさらに縦褌を握りしめつつ、一気に寄っていきます。

「ノコッタノコッタノコッタ!! ノコッタノコッタノコッタ!!」

「いやあああっ!!」

「ぐっ……くっくっ……」

一気に土俵際まで七海さんを追い込めました。

あと一歩で勝てる!

私がさらに寄りを強めようとしたその瞬間でした。

私のあそこにまたピリッとしか感じが走ります。

「いやあああああっ!!」

「うわあああっ!?」

次の瞬間、私は縦褌を捕まれたまま、高々と吊り上げられていました。

その状態でぴたりと止められてしまいます。

「あっ……ああっ……あっ……」

私は何とか足をバタつかせますが、今までの攻防で消耗していたのか、全く逃げる事が出来ません。

股間に強烈に食い込んだマワシが、力を奪っているんです。

「……くっ……やってくれたじゃない……覚悟は、良いわね?」

「あっ……ああっ……くぅ……うっ……」

七海さんは完全に無抵抗になってしまった私を一度下ろすと、素早く背後を取りました。

その状態でマワシ、胸、耳を同時に攻め始めます。

七海さんの得意の裏三所攻めです。

「はっ……あっ……ああっ……あっ!!」

私は成す術も無く喘ぎ声をあげてしまいます。

足下は既に俵です。

下手に動いたらその瞬間負けてしまいますが、このままでも同じです。

何とか挽回しなければ……。

「はぁ、はぁ、逃げなくて良いの? ほらほらっ!」

「ああっ!! ああっああっああっ!! だ、だめぇっ!! あっあっあっあっ!! うあああああああっ!!!」

一気に七海さんの攻めが加速します。

私は一気に高まり、とうとうイッてしまったのです。

ふっと力が抜けてしまい、抵抗が出来なくなってしまいます。

完全に死に体です。

ですが、七海さんは試合をすぐには決めるつもりはなかったようです。

「この程度で済むと……思っていないわね?!」

「うあっ!! あっ……ああぁぁ……」

私の身体が不自然な形に捻られます。

七海さんは私にコブラツイストを仕掛けたんです。

しかも私のお尻の縦褌を吊り上げながらです。

私は弱々しく悲鳴を上げますが、イッた直後なのにまたマワシを食い込まされては、抵抗も出来ません。

「ほらほら、どうしたの? もう抵抗しないの?」

「あっくっ……うぅ……あぁ〜……」

私は頭を振って必死に逃げようとしますが、もう動きようがありません。

一歩でも逃げようすれば、そこは土俵の外です。

ですが、自分から負けを認めるなんて、絶対に出来ません。

「いいねぇ、その表情……いつまで耐えられるか試してあげるわ……」

「くぅぅ……あぁぁ〜……あぁぁ〜……」

私は既にもがく力すら失っていました。

不自然に捻りあげられた身体には既に鈍痛しか感じません。

「ノコッタノコッタノコッタ! ノコッタノコッタノコッタ!」

「くぅぅ……くぅ……あぁ……あぁぁ……」

ですが、まだ相撲は続いているんです。

私の抵抗は、負けを認めない事。

ですが、そうすればするほど、相撲なのに関節技に苦しめられるという、屈辱の時間が続きます。

この時間は五分以上続けられました。

「はぁ……はぁ……どう? いい加減、負けを認める気になった?」

「あぁ……くぅ……み、認めません……」

「はぁ……はぁ……へぇ、随分根性がついたじゃない。

 ……いいわ……ちょっと乱暴だけど、トドメを刺してあげる……たっぷりと休めたしね……せーのっ!!」

「うああああっ!?」

突然、私の身体が宙に舞い上がりました。

コブラツイストに捕まっていたはずなのに!?

「きゃうっ!!」

私は訳の分からないまま土俵に叩き付けられてしまいました。

「うぁ……ぁ……」

凄い衝撃で、私は頭をしたたかに打ち付けてしまいました。

私はマワシ一つの裸体を晒したまま、土俵の上で気を失ってしまいました。



決まり手は吊り落としで、私の惨敗でした。

気絶をしてしまった私は、一礼すらできずタンカで運ばれるという、隠相撲始まって以来の醜態を晒してしまったのでした……。





渡邉しずかの戦績



七日目終了 三勝四敗





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